結婚・子育て資金一括贈与非課税制度の改正

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この特例は、父母・祖父母等の直系尊属が結婚・子育て資金を信託等により一括して拠出した場合に、
子・孫等の受贈者ごとに1,000万円までの贈与については贈与税が非課税となる制度です。

結婚・子育て資金とは、次に掲げる金銭をいいます。

1.結婚に際して支払う次のような金銭(300万円を限度とします。)をいいます。
①挙式費用、衣装代等の婚礼(結婚披露)費用(婚姻の日の1年前の日以後に支払われるもの)
②家賃、敷金等の新居費用、転居費用(一定の期間内に支払われるもの)
2.妊娠、出産及び育児に要する次のような金銭をいいます。
① 不妊治療・妊婦健診に要する費用
② 分べん費等・産後ケアに要する費用
③ 子の医療費、幼稚園・保育所等の保育料(ベビーシッター代を含む)

令和3年度税制改正により次のような改正が行われたうえ、適用期限が令和5年3月31日まで延長されました。
改正その① 贈与者死亡時の孫等への贈与に係る管理残額の一定部分について相続税額の2割加算を適用
改正その② 受贈者の年齢要件を「20歳以上50歳未満」から「18歳以上50歳未満」に
改正その③ 結婚・子育て資金の範囲に一定の認可外保育施設へ支払う保育料を追加

注目すべき点は改正その①の相続税額の2割加算の適用です。
そもそも2割加算とは相続税を納める人が、亡くなった人(被相続人)からみて「配偶者、一親等の血族」以外の人の場合は、その人の相続税額が20%増しになります。
改正前までは、結婚・子育て資金の贈与額はその贈与者が死亡した際には持ち戻して相続財産に加算しなければなりませんでしたが、
相続税額の2割増しの適用がありませんでした。この度の改正により相続財産に持ち戻すうえに、相続税額までもが2割加算となりました。
この贈与税の非課税制度、なんとも使いづらいというのが印象です。
さらに2割加算も免れないようでしたら、資金使途が問われない暦年贈与(年間110万円までは非課税)をコツコツとしたほうがいいのではないか??
などど考えてしまいますね。
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