法人版事業承継税制の特例措置に係る特例承継計画の提出期限の延長

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令和6年度税制改正により、法人版事業承継税制の特例措置について、コロナの影響が長期化したことを踏まえ、特例承継計画の提出期限が令和8年3月末まで2年間延長されました。
法人版事業承継税制とは、後継者である受贈者・相続人等が円滑化法の認定を受けている非上場株式等を贈与又は相続等により取得した場合において、その非上場株式等に係る贈与税・相続税について一定に要件のもと、その納税を猶予し、後継者の死亡等により、納税が猶予されている贈与税・相続税の納付が免除される制度です(一般措置)。
平成30年度税制改正では、法人版事業承継税制について、これまでの措置に加え、10年間の措置として納税猶予の対象となる非上場株式等の制限(総株式数の3分の2まで)の撤廃や、納税猶予割合の引き上げ(80%から100%)等の措置が創設されました(特例措置)。
特例措置を受ける場合には認定経営革新等支援機関の指導及び助言を受けた旨を記載した特例承継計画の提出が必要となります。その提出期限が平成30年4月1日~令和6年3月31日までであったのが、2年間延長され令和8年3月31日までとなりました。
なお法人版事業承継税制の特例措置の適用期限は令和9年12月31日までとなっています
特例制度の適用に当たっては、メリット・デメリットをよく検討し判断する必要があります。
特例制度のメリットとしては、贈与税・相続税の全額が納税猶予される点にあります。非上場株式の評価額は非常に高額になることがある一方、それに係る相続税・贈与税は金銭一括納付が原則です。納税資金の確保が困難な場合等は、本制度の適用をにより納税額を抑えることができます。
デメリットとしては、かなり条件が緩和されたものの、依然として納税猶予の取り消し事由に該当すると、猶予されていた税をすべて納税しなくてはなりません。
いずれにせよ特例承継計画は原則、相続又は贈与前に提出しておく必要があります。そのため早めの検討をお勧めします。

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